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廃棄処分する前に!再生タイヤや燃料に変わる廃タイヤのリサイクル方法

タイヤ
公開日: 2016.07.07 / 最終更新日: 2020.05.30

現在日本の自動車普及率は、人口1,000人あたり約600台程度となっています。1家に1台ではなく、1人1台自動車を持っているという現状です。

しかし自動車の増加とともに、日本では1年間に約1億本もの廃タイヤが発生しています。

 

タイヤは大きくてかさばるだけでなく、腐敗もしにくいため、そのままゴミとして廃棄すると環境に悪影響を与えてしまいます。

そんな廃タイヤは、さまざまな用途でリサイクルできることをご存じでしょうか?

今回は、廃タイヤのリサイクル方法についてご紹介します。

 

 

 

廃タイヤのリサイクル

日本では年間に約9,400万本のタイヤが廃タイヤとして処分され、その総重量は約100万トンにもなっています。そんな廃タイヤの約90%はリサイクルとして再利用されているのです。

 

回収されたタイヤのほとんどは専門の廃タイヤ処理業者やタイヤメーカーに引き取られて、リサイクル処理が行われ、リサイクルされた廃タイヤは、製紙、中古タイヤ、再生ゴムなどに生まれ変わります。

 

1990年より石炭の代わりに廃タイヤを再利用する「コジェネレーション・システム」が開発され、廃タイヤはエネルギー源としても再利用されています。

 

また廃タイヤのリサイクル方法には大きく分けて、「リユース・リサイクル」、「マテリアル・リサイクル」、「サーマル・リサイクル」の3つがあります。

 

リユース・リサイクル

リユース・リサイクルは、廃タイヤをそのままタイヤとして再利用する方法です。

一度役目を終えた廃タイヤの中には、痛みや摩耗が少なく、まだ使用することができるタイヤもあります。このような状態の良いタイヤは、国内や海外などで中古タイヤとして再利用することが可能です。

また、バスやトラックなどに使用する大型タイヤは、タイヤの表面を張り替えるなどの再加工を行い、新品と同様に使用できる再生タイヤとしてよみがえらせることができます。

 

 

さらに、使用済みタイヤをそのまま利用して、公園や学校の遊具として利用したり、港の防舷材として再利用する場合もあります。

 

 

マテリアル・リサイクル

マテリアル・リサイクルは、廃タイヤをそのまま再利用するのではなく、加工して別の製品として再利用する方法です。

まず、タイヤに含まれているスチールコードや強化繊維などを取り除き、残った合成ゴムを細かく断裁して粉末状します。

 

その後、タイヤチップや再生ゴム、ゴム粉などに加工し、さまざまな原材料になるのです。

加工された廃タイヤは滑り止めなどの原材料としても使用され、マットや歩道舗装材に利用する他、アスファルトの弾性舗装や新幹線のレールに敷く路床材など、騒音防止のための材料としても再利用されます。

 

 

サーマル・リサイクル

サーマル・リサイクルは、廃タイヤを熱焼させ、その際発生した熱エネルギーを回収・利用する方法です。

現在廃タイヤの約50%が、この方法でリサイクルされていると言われています。
 

タイヤの原材料の約60%は石油から製造されており、中間処理されたタイヤチップは1kgあたり35,000kJの総発熱量があります。この数値は、軽油や重油などの石油製品とほぼ同じです。

そのため、石炭などの代替燃料としての利用が促進されています。

 

また、ボイラーなどの燃料としても使用され、国内ではセメント、製紙、製鉄業などの工場で利用されることが多いです。特にセメント工場では、燃料として使用される他、セメントの原料としても利用されています。

 

まとめ

今回は、廃タイヤのリサイクル方法についてご紹介しました。

一度は役目を終えたタイヤも、さまざまな形でリサイクル、リユースされ私たちの生活の中で再利用されています。

みなさんも、必要がなくなったタイヤは廃棄処分するのではなく、リサイクルに役立てましょう。

 

 

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